実際の設計において緩和曲線の長さをどのように決定するか。
曲線半径が決定しており、かつすり付ける直線の交角が決まっているなら、緩和曲線は比較的自由に設定できる。ただし曲線における通過速度により円曲線の半径と緩和曲線長は制限を受ける。
緩和曲線長の中でカントが変化するので、まず均衡カントCoを算出する。
ここからは、各鉄道事業者が個別に規定している。例えば以下のような決め事がある。
$$ C_o=8.4 \times \frac{V^2}{R} $$
Vは列車速度(km/h),Rは曲線半径(m)を表す。
ただし、実際に設定する実カントの最大値は105mmと設定しているところが多い。
また、均衡カントに対する設定カント(C)の差をカント不足量(Cd)という。カント不足量は30mm,60mmなど起動状況により設定されている。
\begin{eqnarray}
L1&=&800\cdot C\\
L2&=&8\cdot V \cdot V \\
L3&=& 9 \cdot C_d \cdot V
\end{eqnarray}
L1,L2,L3の最大値以上で緩和曲線を設定する。
実設計場ではカントは5mm単位で設定するのが一般的である。
緩和曲線長を決定すると円曲線の位置と円曲線長(CL)が決定する。ここで、CLが20m以上であることを確認する。